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【第1回】次世代自動車革命で変わる業界構造


 世界にはあらゆる産業が存在していますが、その中でも自動車産業は最大の市場規模を誇っています。自動車産業に紐づいた産業全ての市場規模はおよそ400兆円となります。

 

 こうした巨大市場において、近年大きな変革が訪れています。例えば、安全意識の高まりからADAS(先進運転支援システム)の開発が一気に進みました。こうしたIoTの参入により、かつては夢物語とされていた完全自動運転の実現が現実味をおびてきています。さらに、環境保護やエコへの関心から、エコカーブームが巻き起こっています。エコカーには、FCV、PHVの他に、電源のみを動力源としてモータを駆動させて走行するEVがあります。

 

 EVの市場は、2020年に全自動車生産台数の3%、2025年では約10%、2040年には30%になると予想されており、昨今のコロナ不況にかかわらず継続的な成長産業になると期待されています。

 

 こうしたIoT化・電動化の流れの中で、従来の自動車メーカを頂点に、部品メーカをはじめとする関連企業がピラミッド型で関係を築く業界構造は再編が進んでいます。例えば、モータ駆動や自動運転技術が普及していくと、電気制御技術や半導体製品の位置づけが非常に重要となる為、電子部品・電子デバイスを含めた独自技術を持つ企業が自動車メーカと対等な立場で自動車の開発・生産を行っていく必要があります。こうした流れは、素材メーカ各社へも広がっています。

 


<参考>

2011年:トヨタ自動車はアイシン精機やデンソーなど、部品の主力サプライヤーの事業を整理・統合

2018年:東洋ゴム工業は京都のベンチャーEV GLMと共同で、より振動減退能力の高い足回りゴム製品の開発を開始

2020年:カネカの液晶シリコン太陽電池が、トヨタの自動運転電気自動車「e-Palette」のルーフガラス部分に採用